市原青年矯正センター視察。
ここは、旧市原学園(少年院)の施設や設備などを転用して、令和5年に開設された少年刑務所。
入所時に概ね26歳未満の知的障がいなどを有する男子受刑者に対し、少年院における矯正教育の手法などを活かし、特性に応じたきめ細やかな処遇が行われています。
窃盗犯や詐欺犯が大半を占めており、現在は26名が服役。
受刑者の多くは、義務教育段階でつまずいたそう。
そこには、障がいに対する親の理解が不足し、適切な行政サービスなどに繋がることがなく、学校で始めて孤立を経験するなどといったことが背景にあるとのこと。
議員として、大人はもちろん、子どもたちにによる犯罪を未然に防ぐため、孤立する方や、孤立に至る手前の方への支援などの対応について深く考えさせられました。
ここでは、出所後に自律した社会生活を営むことができるよう、部屋に鍵がないなど、半開放寮の開放的で自由度の高い環境の下、受刑者自らが時間管理などを行い、出業や入浴など、職員の指示や号令なく、自発的に行動して生活。
掃除、洗濯等の日常生活に必要な行為も、受刑者が役割を固定せずに分担しながら行い、これらを通じて社会生活の前提となる基礎的生活能力の育成が図られています。
受刑者ごとに刑務官及び教育専門官からそれぞれ1名ずつ個別担任を指名する複数担任制を導入し、刑務官と教育専門官は、互いの専門性を活かしながら、個別面接や個々の受刑者の課題に即した指導を行い、協働して寮を運営。
若年であること、知的障害等を有することの特性を踏まえつつ、作業・職業訓練、改善指導・教科指導などの矯正処遇を実施。
集団処遇に加え、個別面接、日記指導、個別課題等の個々の特性や生活状況に応じた指導などがきめ細かく行われています。
入所してから刑期を終えるまでの変化として、表情が明るくなるなど、内面的な変化が見られるそうで、出所した者のうち、現時点で再犯の連絡はないとのこと。
課題として
①刑務官、法務教官、福祉専門官などの多様な職員間の「視点の違い」をすり合わせ、「改善更生」という共通目標に向かって協力することが組織運営において最も難しい。
②刑務所では職業紹介ができないため、ハローワークを介する必要があり、協力雇用主も業種が偏りがち。
③ジョブコーチのような伴走型支援を導入しようとしても、前例がないため、内部職員の理解を得ることが難しい。
④施設内の手厚い支援体制と、出所後の社会の現実との間に大きなギャップがあり、施設内では支援に同意しても、出所後に支援機関との関りを拒否するケースがあるため、そこから生じる孤独感が再犯リスクに繋がる。
⑤社会復帰支援の取り組みを外部に広く知ってもらう「広報活動」が必要で、見学会などを通じて活動内容を伝え、社会復帰する人々への理解を促進することが重要である。
視察を行うにあたり、ご対応いただきました市原青年矯正センターの方々、ご支援くださった方々に御礼申し上げます。
誠にありがとうございました。